はるのにわ
近所の空き家にすごく執着を持つ人物が出てくる。
(この人の本、ぜんぜん読んだことなかったが思わずジャケ買い)
そこまでいかないけど、
通るたびに観察してしまう、気になる家というのはある。
昭和初期の洋館みたいだけど、
今は人の気配がない。
住んでいるところは小さな山のふもと。
山の南斜面は昔のお屋敷が点在している。
かぼちゃ色の洋館とか、あったように思う。(今は多分ない)
自分は山の下のほうに住んでいるので
子どものころから
あっちは別の世界、と思っていた。
大人になってから通ってみたら
「売家」になってたり、
突然更地になって5-6軒家が建ったりして
けっこううろたえるのであった。
そういう家は、なんだかオーラみたいなものを発していて、
まわりの家と明らかに違う。
鬱蒼とした植え込み、
昔の施主さんや職人さんのディテールへのこだわりとか
造りの中の遊びみたいなもの・・・
そして家自体が抱えてきた住人の歴史とか。
「春の庭」の登場人物も、結局その家というより、
家が内包する住人たちの時間みたいなものに
引き寄せられている。
家も年月を経ると大きな人格みたいなものを持ってくる。
それがこっちのアンテナに引っかかるんだろうな。